むかーし むかしのそのむかし 2

着いた頃は 
空の色は 空色で
海の色は 海色で
キラキラしててまぶしくて
砂浜の水に映る空が綺麗で

太陽が海に近づいてくると
海の色が暗く
そして 空の色がうすくなって

色んな事話したと思うけど
自分が話したことは 一つも覚えてなくて
ただ 彼女の届かない思いの話が心に残った

薄暗くなった道を帰って
彼女とわかれた
また、明日学校でね って

この海には 高校時代はこれっきりだった
大人になって行ってみたけど
あの頃のようなきもちにはなれなかった

彼女との記憶もない
友達になるはずがない 二人が
期間限定で友達をしたみたいな

前と変わった事は 大好きな数学が赤点だったことと
英語が取り戻せなくなったこと

2学期末テストの後からは 取り合えず、授業はうけるようになって 穴を埋めるように数学の勉強をした

不真面目は 楽しかった
学校着いて 出欠とったら 帰ったり
駅であったクラスの子といっしょに映画見に行ったり
部室で漫画読んだり
髪型コロコロかえたり

友達がいなかったから
自分が自分で居られる友達がほしかったんだ
多分 まわりは 友達だって思ってくれてたんだよ
自分が心を閉じてて
誰も信じられなくて
距離を置いてしまったんだ
海に行った彼女も サボって映画見に行った子たちも
自分なんか友達だなんて 思われてないって

でも、気付いたらみんな心配してた
数学の先生も英語の先生も
映画見に行った子も
だから、戻れたんだと思う
クラスメイトが学校来なかったらどうしたんだろうって
やっぱり思うよね
存在感が全くない自分でも

何の役にもたたない
どうでもいい自分でも
友達の作り方がわからなくても
クラスには溶け込めてたんだなーと思えた